スマートファクトリー化
日本はこの30年間、GDP2位から3位へ、現在、国民一人当たりGDPは24位、国民一人当たり給与はOECDで24位と低迷しています。
要因は多岐に渡りますが、相対的にデジタル活用が進んでいない事が要因の一つと指摘されています。日本にはGAFAは生まれないとも言われています。
米国ではデジタル技術を経営戦略の中心に据え、新たな市場を創造しています。株式時価総額で世界で最大級になっており、評価を受けています。
以上の環境の中で、2018年9月7日「DX*1レポート」で「ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開」が発表され警鐘がならされました。DXの対応が今後の競争力の源泉となることが改めて示されたと認識しました。その中で、日本の製造業大手は世界で戦っています。
1社でのデジタル化、DX化による生産性の向上や新サービスの提供は今後も継続すると思われます。今後はそれに留まらず、サプライチェーン全体での「生産性向上」「リスクマネージメント」が求められます。板金・製缶業界は今まで、小規模企業の比率が高く、アナログでの処理が主流でした。今後はDX化に伴うデジタルデータ活用がサプライチェーン全体で求められます。DX化に対応出来ない事業者は淘汰される時代が来ています。
*1:Digital Transformation:企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。(DXレポートより抜粋)
既に、大手からは3次元データでの見積り依頼・加工依頼を打診され、一部では実際に3次元データでの見積り・加工を実施しています。
また、品質管理面で検査データを3次元データで提出する事を求められています。
ご要望に応える為には、社内をDX化により全ての工程をデジタル対応する必要があります。
そこで弊社は経営戦略としてIPA*2が提唱しているスマートファクトリー*3を目指す事にいたしました。
*2:独立行政法人情報処理推進機構 :「中小規模製造業者の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド」より抜粋
*3:あらゆす生産工程の見える化と、データ活用により生産の全体プロセスを最適化する工場。
スマートファトリーを目指すに当たり、下記を目標としてDXを推進します。
・各工程で3次元データがシームレスにデータ連携できるように業務の標準化、設備投資を行います。
・板金・製缶業界では難しかった、3次元データでの自動見積りへトライします。
・加工機、プログラムの限界を知り、「職人ならではでの領域」を見極めます。これにより、他者には無い「高度な精度の価値」を提供することで差別化を行います。
・DXと職人の融合を進め、職場の提供を通して地域経済に貢献します。
・サプライチェーンのDX化を推進する企業となります。
スマートファクトリーを目指すにあたり、組織体制を強化します。
CIO*4を配置し、全社の推進を行います。
DX化、デジタル化は現場の協力が不可欠です。全員参加型の推進体制を構築します。
各職場でDXリーダーを設定し、デジタル化、全体プロセスでの課題を発見・定義し、改善するPDCAサイクルを回す仕組みを構築します。
社会環境変化に柔軟に対応できる、継続的に改善できる組織にします。
*4:Chief Information Officerの略で、一般的には「情報統括役員」。自社の経営理念に合わせた情報化戦略を立案し、実行することで、情報技術と経営の融合を行う。